ジャムパン

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・ ・ ・
初めて泣いた。
職場で、初めて泣いた。

カラオケ屋では泣いたことはなかった。
福岡でも、こっちに来てからも。
あたしは涙もろいけど、仕事場では泣かないようにしている。
(あたりまえだけど)
女の涙を武器にしたくはないし、感情的になってしまうし、
あの子にきついことを言うと泣かれるっていうのが定着しちゃうから。
あー
今日はこらえきれなかった。
接客業をしていると、色んなお客様・状況にぶち当たる。
今日の状況はこうだ。
お客様の会計を済ませたあたしがレジのところに立っていると、お客様に話し掛けられた。
最初、ちんぷんかんぷんで話が把握できなかった。
何度も聴き返し、ようやくお客様が手に持っているスタンプカードが満タンになっているので金券と引き換えたいとおっしゃっているのがわかった。
「金券には期限がございますので、ご来店されたときにお引き換えされたほうがよろしいですよ。」
と、あたしは答えた。
「いや、今替えて。」
「いえ、しかし。。」
期限の説明を何度か繰り返した後、お客様はこう言った。
「いや、さっき会計済ませたんやけどね、このカードは使えんの?」と。
さっき会計された方のお連れ様だと。
だったら話は違うじゃない!と、
「レシートはお持ちですか?ご返金にはレシートが必要なんですよ。」
と、あたしが言うと、そそとさっき会計をした駐車場で待っている本人のところへ向かわれた。
ふと目をやるとあたしがお客様とお話をしてる間に、ご入室のお客様が一組、いらっしゃっていた。
ご入室受付にいらっしゃるお客様とはまたべつに、あたしの目の前にも女性のお客様がいらっしゃった。どこか遠くを見てあって、不思議な雰囲気。
「いかがなさいましたか?」と、声をかけた。
「一人でも歌えますか?」と、尋ねられた。あたしの顔を見ているようで、焦点はあっていない。
「ええ。お一人でも大丈夫ですよ。ただいまからご入室されますか?」
簡単な料金システム等の説明をし、ご入室の受付をしていただくことになった。
フロント担当者は、平日は一人体制なので、基本的に一組ずつしか対応できない。入室受付でお待ちの方には声をかけ待っていただいた。
「会員カードをお作りしますので、免許証はお持ちですか?」
「いえ、私、目が見えないので運転が出来ないんです。身障者手帳ならありますが、いいですか?」
よく見れば、杖をお持ちである。
「ええ。よろしいですよ。お願いいたします。」
「目が見えないので、部屋への案内・曲の入力等していただきたいのですが、してもらえますか?」
と、尋ねられた。
「もちろんです。スタッフが案内・入力等させていただきますね。」
とても嬉しかった。
うまくは言えないが、ハンディーキャップをお持ちの方が、ご来店され、うちで楽しもうとされている!
目が不自由だと、カラオケは無理という気持ちに絶対させたくない。楽しんでいただきたいと思った。
手帳をお預かりし、入会申込書をあたしが記入しますと断りを入れ、記入した。
と、先程のご返金のお客様が戻ってこられた。
「やっぱりレシートないよ。店長呼んで。」
「・・レシートがないと。。(ちょっとお時間かかりますけどよろしいですか?)」
あたしが言いかけたと同じくらいにまた駐車場に向かわれてしまった。
あたしは、インカムで店長代理を呼び、フロントに来てもらった。
しかし、ご返金のお客様はなかなか戻ってこられず、店長代理には、ずっとお待ちのお客様の対応をしてもらった。
と、対応をしてもらい始めてすぐに、ご返金のお客様が戻られた。
「レシートがないと無理なん?」
レシートがなくても返金は出来るが、あたしも代理も接客中である。
特にあたしは、目の不自由なお客様を初めて来た店で不安にさせたくなかった。頑固になっていた。
「ご返金いたしますので、少々お待ちください。」と、声をかけた。
目の前のお客様にわかるように、詳しく説明をし、
お客様を部屋まで案内しようとフロントカウンターから出る時に代理に声をかけた。
「ご返金をお待ちのお客様があちらにいらっしゃいます。」と。
と、代理の顔がこわばり、あたしを睨んだように思ったが、気のせいだろうと気にせず、お客様を案内した。
部屋の使い方を説明し、入曲をしようとしているところに、インカムで名前を呼ばれた。代理の声。
「大変です。早く来てください。」
「フロントにですか?」
「そうです。そうです。」
とは言っても、女性のお客様の入曲がまだだ。この方の利用時間は1時間しかないし、もうカウントが始まっているのだ。
「ちょっと待ってください。」と、言ったが、
「大変なんです。手におえません。」と、返ってきた。
とりあえず、お客様の入曲をしなければ、誰か変わりにしてくれる人はいないかと、事務所に入り、出勤前のスタッフに事情を説明し、入曲をお願いしようとしたその時、事務所に代理が入ってきた。
「代理、ちょっと待っててください。」
「何言ってるんですか?!おれ、あいつらにむなぐらつかまれたんですよ?早く出て返金してください。店がどうなってもいいんですか?」
「待ってください。すぐ行きますから。あたしもお客様を待たせてるんです。」
「あいつらに店壊されますよ?」
「待ってください!!!!行きますから!あたしが対応している方も、うちの店のお客様なんですよ?」
代理はまだガーガー言っていた。が、無視してスタッフに事情を説明し、担当を変わってもらった。
すぐさまフロントに向かい、返金を行った。
返金をすると、お客様の怒りは収まったのか、おとなしく帰っていった。
胸をなでおろした。
「何で無視したんですか?」
代理に話し掛けられた。
「はい?無視ですか?」
「さっきのお客様のこと無視したんでしょう?」
「無視はしてないですよ。ただ、受付をしてるお客様がいらっしゃったので。お待ちくださいとお声がけはしましたよ?」
「ですけど、お客様、待たされたって怒ってたんですよ?俺はむなぐらつかまれたんですよ?」
「・・・。」
「そういった場合、とりあえず返金をして、とか、とにかくお客様を怒らせない対応の仕方があるでしょう?何で怒らせるようなことをしたんですか?」
「(誰も怒らせたくて行動を起こすやつはいない)」
「そこまで頭が回らなかったんですか?お客様は返金うんぬんよりも待たされたことについて怒ってあったんですよ?」
「(・・・)」
「気をつけてください。」
代理がフロントからいなくなって、さっき対応を交代してくれたスタッフがフロントに入ってきた。
「どうしたんですか?」尋ねられ、経緯を答えた。
経緯を話してるうちにとても悔しくなった。
クレームを出されたお客様も大事だけど、目の前にいるお客様も大事なのだ。
お客様には平等に接したい。
無視なんかしていないし、怒らせるつもりの対応ではなかった。
じわじわと涙があふれた。
フロントを離れ、別の仕事をしていても、涙が出てくる。
あたしはこの仕事に誇りを持っているし、特にフロントには極上のプライドがある。
と、店長から電話で、あたしに代わってほしいと、インカムが入った。
「どうした?代理から電話があって、状況は聞いた。おまえの口からも状況を聞きたい。」
経緯を、話した。話しているうちにまた涙があふれた。ここに入ってからはじめて泣いた。
ここに入ってからずっと店長の後を追っかけてるあたしの泣いたのは、もちろん店長も初めてで戸惑っていた。
「おまえはさ。」
「はい。」
「お客様を大事にしたかったんだよな?ハンディーをもったお客様にも心から楽しんで欲しかった。そのために出来ることを一生懸命考えてたんだろう?」
  じわっ。
「ひとりで解決できると思ってたんだろ?一人で解決しなきゃって。だから、ご返金のお客様に待っていただいた。」
  ううーじわわっ。
「でもさ、今回のことでわかったろ?お客様がどんなに待たされるのが嫌か。おまえはこれから、目標に向かって、上に立つ人間になるんだから、お客様を待たせぬよう、人の力を上手に借りるのも大切になる。指示だしのペース配分じゃねぇけどさ、へばってから人を呼んだってだめなんだよ。へばらないように人の力を借りる。それも力だろ?」
今回のことの最善策を尋ね、また話を続ける。
「代理の言葉を間に受けんじゃねぇよ。お互い感情的になったら前にすすまねぇだろ?おまえは感情を読まなきゃ。この人はこういう心情だから、こういうことを言ってるんだって。落ち着いて会話できる余裕を持てよ。」
うんうん。
「おれは、おまえにはきついことを言いますよ?おまえは他のどのスタッフよりも俺と一緒に働いてるし、俺の言うことを一番理解していると思うし、理解してくれると思う。そして、それを明日にその次にと自分の力に変えていけると信じてますから。だから言うんです」
泣いたのも初めてであれば、店長に優しい言葉をかけられたのも初めてだった。
今まで、一緒に働いてきたけど、店長はいつもどこかあたしにきつくあたるから。いや、別にきついとも思ってないけど(笑
「泣くくらい悔しいならさぁー。見返してやるほどの接客を見せてやってくださいよ!!」
「ですね」
「ですよ」
「・・・・・・はい。大丈夫です。ありがとうございます。大丈夫です。」
「大丈夫じゃないと思ってないですから。」
「(笑)はい。」
店長についてきてよかったと思った。
またたくさん涙が出た。
辞めようと一瞬思った自分がおかしかった。
「また明日」
言ったあたしに、店長が笑った。
「ええ、また明日。がんばりましょう!」

また明日。
明日になると、また新しいお客様。新しい状況。
接客って難しいけど、パズルゲーム。
するりと解けると癖になる。
また明日。
ガンバリマショウ!
| 仕事 | 04:45 | comments(5) | trackbacks(1) | pookmark |
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・ ・ ・
コメント
はじめまして☆
長々とだらだらとした文章を読んでいただき、ありがとうございます。
勉強になるとまでおっしゃっていただいて・・
恐縮です。
本当にありがとう。
今、仕事のことで悩んでいるのでコメント、うれしかったです。
| 15 | 2005/04/07 2:49 AM |
いまさらですが、いい話を読ませていただきました。
勉強になります。
| Yell! | 2005/04/06 6:23 AM |
ここにこの文章を書いたのは、
これからくじけそうなことがあった時、読み返すことが出来るから。
クレームは解決しても、代理との確執はなかなか..ね。。

マヨさん>>
ガンバリマァス☆
みんな仕事ではつらい思いをして、でもその分喜びがあるんですよね。
だから、あたしはこの仕事が大好きだし、店長が大好きなんです(ポ(笑
これから、店長がいなくてもしっかりやれるよう、成長しなきゃです。。

くじろうさん>>
いやいや
まだまだです。。
まだまだなんですよ。
まだまだだから、今回のことが起きてしまったのです。
まだまだ強く、オトナになるんで見守ってくださいね、先輩!!
また、アドバイス求めるかもしれません。
その時は、よろしくお願いしますです。。
| 15 | 2004/11/06 6:54 PM |
強くなったなァ。



大人になったアナタを知って先輩はちょっと誇らしいです。
| くじろう | 2004/11/06 2:10 AM |
よし!頑張れ!

おもわず昼休みに職場で読んじゃったよ。

目が潤んできてまいった‥
| マヨ | 2004/11/05 12:47 PM |
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神の声が聞こえますか
さきほど我が後輩15サンの日記を読んでちょっと思うところあり。 今のところ接客で苦情ってまあそんなにないんですけど やっぱりちょっとでも怖いとか嫌だとか否だとか思ってるとやっぱり伝わる。 すべての「一言」って10人いたら10通りの受け取り方が出来る
| 鯨日記 | 2004/11/13 1:28 AM |
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